スゥエーデン クローナ

個別銘柄・通貨

最終更新日: 2020.11.19

スウェーデン 通貨クローナ運用を考察する。分かり易いトレンド。【2020年版】

今回は、北欧の成熟国スウェーデンを取り挙げたいと思います。高福祉や美しい景色などでも知られており、スウェーデンの名前の由来は、スベア人から。そして「スベア」は、ビーキング(バイキング、Viking)からとも言われています。

バイキングと言えば、海の海賊のイメージですが、スウェーデンは、1805年ナポレオン戦争介入後、敗北を重ねたことをきっかけとして、平和主義を守り、第一次、第二次世界大戦共に中立を維持しました。

その間、林業、鉱工業を進展させ、豊かで美しい国を構築してきました。

スゥエーデン、首都ストックホルム

そんなスウェーデンは、EUに所属しつつ、独自の通貨クローナを保持しています。スウェーデンクローナは、スウェーデンの堅調な経済。そして、欧州大陸への隣接性。また、欧州大陸とスウェーデンの経済規模差から、非常に特徴的な動きを示す通貨となっています。

信頼性の高さから非常に低金利であり、金利を目当てに投資する通貨ではありません。

ただ、私が、スウェーデンクローナの動きを研究して来た結果、思うのですが、トレンドが非常に分かり易く、狙っていく価値があると、私は思っています。

投資は知識ゲームな点があって、良く知っている事。ポイントを抑えていることが、とっても効いてきます。

今回は、そのスウェーデンクローナの特徴を紹介したいと思います。

EUに所属だけど、ユーロでは無い

スウェーデンはEU加盟で、ユーロを使っていない国です。私達は、この辺りがあまり分からずに来てしまっていることが多くて、EUって通貨はユーロと勘違いしがちなのですが、スウェーデンはEU加盟で、通貨はユーロで無く、独自通貨のクローナを使うという状況です。

欧州中央銀行ECBのサイトから引用

今日の本題から少しそれますが、歴史の流れを抑えておくことは、面白いですし、投資にも有用になってくるので、ちょっと、EUとユーロの関係について、紹介したいと思います。

EUの背景。欧州は戦争ばかりの歴史。

歴史を勉強してみると、欧州は常に戦争続きでした。侵略したり、侵略されたりの繰り返し。色々な人が面白いビデオを作っていて、その一つをご紹介します。

3分位のビデオなのですが、欧州の国境の遷移を早送りで地図にしたものです。

その欧州が、今のEUに変わって行くきっかけが、第二次世界大戦と、当時の米国でした。

EUへの動機は戦後復興と平和への追求

戦争後、疲弊し、復興できるのかという状況にまで落ち込んでいた欧州に、当時の米国国務長官だったマーシャルが、「マーシャル・プラン(欧州復興計画)」を提示したのです。

欧州の中心国フランスとドイツは、長く争った「両国間で2度と戦争を起こさない」という決意を固めていました。

さらに、各国の思惑が絡まります。

米国は、欧州がソ連(当時)側に付くのを避けたい思惑。

ドイツは、ナチスがもたらした各国からの不信感を拭いたいという思惑。

そういった思惑が絡み、欧州は平和への追求と、復興のため、経済的実利追求のための動きを起こします。これが、1951年のECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)となり、後のEUとなります。

EUならユーロが基本だったが、ポンド危機きっかけに、EUでもユーロとは限らなくなった。

EUは経済中心に始まり、通貨も統一していく方向が合意されました。1992年のオランダのマーストリヒトで締結された条約での内容です。

通貨統一のメリットは何でしょうか?

一つは、貿易で為替を心配しなくてよくなるという点です。日本だと、円高の度に、トヨタの利益が●●●億減ったという報道がされますが、あれがなくなります。

自国通貨を放棄するイメージは、日本人が米ドルを使うイメージ

通貨統一はもいいことばかりで無いです。実際イメージしてみると、例えば、私達は、今、円を使ってますが、自分の国の通貨が無くなるということは、例えば日本銀行が無くなって、日本がアメリカドルを使うみたいなイメージ。

つまり、日本銀行が実施する金利操作とか、国債買い入れとか、そういうことが日本国内で決められず、アメリカのFed次第というのと同じイメージです。

日本とアメリカは経済状態がずいぶん違いますから、日本がデフレで、アメリカでインフレという状況は起きています。

日本は金利を下げて欲しい局面ですが、アメリカは逆。

どっちにすべきか。そんな矛盾が起きてしまいます。

ジョージソロスに、矛盾を突かれたイギリス

そこで、欧州では加盟国間の経済差を減らそうとしました。その為、ユーロに参加する為には、ルールを強いています。例えば
・インフレを安定させること
・財務赤字はGDP比3%以内に抑えること
・為替レートを安定させること

などを、ユーロ加盟の条件に義務づけました。

ところが、その3つ目をジョージソロスに狙われたのです。有名な「ポンド危機」です。

今では、イギリスはEU離脱してしまった位ですが、当時のイギリスは経済が冴えなく、国民はEU加盟とユーロへの参加を望みました。

当初否定的だったサッチャー首相(当時)も方針を変え、1990年、イギリスはユーロ参加を目指し、前段階として必要条件だった、ECU(ユーロの前身)との変動率を抑える作業に入ったのです。

ここをジョージソロスに狙われました。当時は、ECUはドイツの好調から金利高く、通貨も強い状態。一方、イギリスの経済は良くなかった

なのに、互いの通貨変動幅を抑えこもうとした。

この矛盾をジョージソロスはじめとした大資本が狙ったのです。

これが、後に「英国をひっくり返した」と有名になった「ポンド危機」。

投機家のポンド売りに耐えきれず、ポンドは暴落。

英国はユーロを諦め、またEU側も、英国を例外扱いとし、ポンドのまま、EU参加を認めることになりました。

これが後に、デンマークやスウェーデンの様に、自国通貨を維持しつつ、EUに参加する国が生まれる先行事例となりました。

スウェーデンは小さく質が高い国。高い経常収支と世界的企業の排出。

スウェーデンは面積こそ、45万平方kmで、約38万平方kmの日本より広い国土です。一方、人口はごく少なく930万人ほど。東京都の人口よりも少ない規模で、経済の規模も日本と比べると、かなり小さい状況です。

ところが、国民一人当たりGDPに換算すると日本を逆転。

スウェーデンは、54000USドル、対して日本は39000USドルで、一人当たりでは、より豊かな国となっています。

スウェーデンの安定した経常黒字

スウェーデンは、お金を稼ぐ力が強く、経常収支は国の規模にしては非常に大きな黒字となっています。経常収支がGDP比で、どれ程あるかをグラフにしてみました。

経常収支比較(EuroStat Databaseから著者作成)

スウェーデンの安定感は素晴らしいですね。

規模は小さくとも、質の高い国。スウェーデンの収入を支えるのは、世界有数に成長したスウェーデン発企業です。

世界企業へと成長したスウェーデン発企業

スウェーデン発には、素晴らしい会社が揃っていて、代表的な数社を挙げると家具のIKEA、世界3大通信機器メーカのEricsson、自動車メガサプライヤーの一角Autoliv、そして、今や世界中で見掛けるH&M。これ、全部スウェーデンです。

東京都未満の人口しか居ないのに、これだけの世界企業を生み出すのは驚きしかないですね。どういう教育をしているのか、知りたくなってきます。

ユーロとスウェーデンクローナの動きの特徴

スウェーデンは欧州EUのメンバーであること。ただし、ユーロは使わず独自のクローナを使っていること。そして、欧州内では小さいけれども、稼ぐ力の強いクオリティ国家であること。そのスウェーデンの特徴が、実は、クローナの特徴としても現れています。

スウェーデンクローナの特徴的な価格変動

グラフは対米ドルのユーロと、スウェーデン クローナの2005年以降の価格変動を比べて描いてみた物です。

まずユーロと基本は同調しているのが見えますね。

ユーロが上がる時クローナも上がる。逆もしかり。

でもちょっと違うのが、クローナの方が振れ幅が大きい。

ユーロが上がる時、より上がって。ユーロが下がる時、より下がる。

これが流れの読みやすさにつながって来ます

投資は知識ゲームな面がある

投資は知っているか、知らないか。それだけのことが大きな差になって現れてくる知識ゲームな面があります

スウェーデンクローナについても、対ユーロで価格変動を描いてみると、上の対米ドルと同じ期間の価格変動グラフですが、非常にはっきりとしたトレンドになってるのが、分かると思います

こんなことでも知ってるか、知らないか。その差は大きいです。

ちなみに、なぜ、こういう動きになるかですが、

・基本は欧州通貨という認知なので、ユーロと同じ時に買われるし、売られる。

・ただし、ユーロが調子よい時、欧州大陸から、優良企業揃うスウェーデンに投資が流れる。だから、クローナがより上がる。

・逆に、ユーロが安くなってくると、スウェーデンからの投資を欧州大陸に引き上げる動きが出る。だから、クローナはより下がる。

こう考えると、色々と辻褄は合います。

スウェーデンクローナへの投資方法。買い方。

スウェーデンクローナの場合は、金利を狙って買うので無く、比較的分かり易いトレンドを狙って行くのが基本スタンスになります。

なのでスウェーデンクローナを買うには、外国為替証拠金取引(FX)一択です。具体的な買うタイミングについては、一番分かり易い投資法は、クローナとユーロのペアを観察して、移動平均線に沿って売買することだと思います。

ただ、私達は円ベースで投資することが中心となるので、円とのスウェーデンのペアについての特徴も触れておきたいと思います。

ユーロ円と、スウェーデンクローナ円の2つを並べてグラフ化してみました。オレンジ色の線がクローナ、青色がユーロです。

2つは基本同調して動いていて、ただし、クローナの方が、より上がるし、より下がるという傾向が見られます。

なので、ユーロのトレンドがより強調されやすい通貨という認識で接するのがいいと思います。

スウェーデンクローナを買える場所

スゥエーデンは小さいけど、安定したクオリティ国家。そして、通貨クローナも特徴がはっきりしていて、投資を考え易い通貨ですが、日本では、なぜかメジャーでは無く、取り扱い会社が、ほぼ無いです。

私が知ってる範囲で、クローナ円の組み合わせを扱ってる会社は「みんなのFX」という会社だけです。

みんなのFX

また、スウェーデンクローナはユーロとの関係が分かり易いので、ユーロとクローナ(記号:SEK)のペア(EUR/SEK)も狙いたいとこです。ただ、扱っているところは、私が調べた限り、金融庁認可の企業では一社しか無く、オランダ系のオアンダという会社だけで扱いがあります。

日本ではメジャーでは無いですが、情報提供が豊富で、英国、米、シンガポール等に展開しており、日本でも金融庁から認可を受けている信頼出来る会社です。

オアンダジャパン

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